初回の学校紹介で佐藤先生からコロンビア大学についての紹介がありました。
今回は、それに続いて同じくコロンビア大学で提供されている『夏学期日本語教授法修士課程プログラム』についての紹介をさせていただきます。
このプログラムはプリンストン大学の牧野成一教授を教務主任としてお迎えして、1996年に開始された日本語教育に携わる日本語教員育成のための修士課程プログラムです。毎年夏学期期間中、6月から8月上旬にかけて9週間行われています。三夏を通して初級及び中上級日本語教授法を始め、日本語学、日本語史、第二言語習得など全11コースを履修し、この他に修士論文を提出することで修士課程を修了することができます。また、正式に修士課程に入学せず、日本語教授法(初級、中上級)のみをNon-degreeとして履修することも可能です。正式に修士課程プログラムとして設立される以前は、日本語教授法(初級、中上級)のみがワークショップ形式に提供されていて、修士号ではなく修了証書のみが取得可能でした。
1999年から現在まで約80名が修士課程を修了しており、その多くがアメリカを始め国内外の日本語教育機関で活躍されています。ちなみに、コロンビア大学の先生方の中にも、この修士課程プログラムの第一期卒業生の方がいらっしゃいます。私は学部時代に通っていた大学の先生が、修士課程プログラムの前身となったワークショップの出身者であったということがきっかけでこのプログラムについて知ることとなりました。
現在のプログラムに在籍中の学生数は約20名。学生のバックグランドはさまざまで、大半の学生はニューヨーク州以外の州に住んでおり、普段はそれぞれの地で4年制大学、短大、または高校レベルの教育機関等で日本語を教えています。このプログラムのために毎年夏に各州からやってきてニューヨークに集結します。
講師陣も豊かな顔ぶれで、アメリカはコロンビア大学をはじめ、プリンストン大学、ハーバード大学、ジョージタウンなどの大学から、そして、日本、オーストラリアの有名大学からも、日本語学、日本語教授法、第2言語習得など、それぞれの分野でご活躍されている先生方を毎年お招きしています。 一夏にそれぞれの先生方が2~3週間ずつ交代で授業を教えてくださいます。
2008年度は日本語初級教授法コースを皮切りに、日本語シンタクスと意味、日本語音声学、ウチとソトの言語文化学といった3つのコースが続き、日本語学が際立った年となりました。
今年、一年目を終えてみての感想は、夏の間にかなりの根気と体力が要求されるものの、本プログラムは日本語教師に必要な専門的知識や技能を高めるための絶好の機会を与えてくれるということです。日本語教育に関して未経験者、経験者が混じり合う中で、お互いに刺激を受けながら共にいろいろなことを学べる貴重な場でもあると思います。授業で習ったことが現場で即使えるというのも、現役の先生にとっては大変ありがたいことだと思います。そして、プリンストン大学の牧野先生をはじめ、日本語教育界で名の知れたすばらしい先生方からこうして直に授業を受けさせていただくことができるのも、本当にこのプログラムならではだと思います。
勉強は本当にきつくて大変でしたが、ひとプログラムを終えたあとの充実感や達成感のようなものは、なにものにも代え難いものがありました。来年のコースも今から楽しみです。このプログラムに興味のあるかたは、下のウェブサイトもぜひご覧ください。
http://www.columbia.edu/cu/ealac/japanese/pedagogy.html
情報提供 & 記事編集 BY: ナズキアン先生、江口先生、入戸野先生
(どうもありがとうございました!!)
Thursday, November 27, 2008
コロンビア大学 日本語教授法修士課程プログラム
Posted by かく at 9:13 AM
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